伊延くん、連絡ありがとう。大学生活、楽しんでいるようですね。サークル活動に熱心なのは、大学生の基本です。学業だけでなくさまざまなことに挑戦し、人間の幅を広げてください。
さて、お尋ねの件ですは、おっしゃるとおり、何のためにやってるのかわからない生徒さんはとても多いですね。
まず、複素数には3つの意味があることを理解させてください。言うまでもなく、「複素平面上の点」「ベクトル」「変換」の3つです。例えばiという複素数は、複素平面上の(0,1)という点であると同時に、(0,1)という成分表示のベクトルでもあり、90度回転という変換でもある、これらの意味をごっちゃになっている生徒さんが多いですね。しっかりと区別すべきです。
あと、複素数は、図形問題へのアプローチの手段でもあります。図形問題の解法はだいたい6通りあり、
1.初等幾何的に解く
2.座標で解く
3.ベクトルで解く
4.角度をθとおいて三角関数に持ち込む
5.辺の長さをxとおいて解く
6.複素数で解く
つまり、複素数は図形問題をとく1つの手段に過ぎないわけで、道具として使いこなせるようになってほしいものです。
あと、複素数特有の性質として「回転」を考えることができることがあります。これはベクトルとは決定的に異なることで、このことも意識しておきたいところですね。
まあ、こんな感じでしょうか。